人生、さまざまな局面で選択を迫られることがあります。軽い気持ちで選択したことが後に重大な結果を招く事も・・・
秋のこの時期、自転車業界では恒例となった各メーカーの展示会も一区切り。お取り引きのない、とある会社の展示会にご招待されていましたが、ここ2ヶ月ほどお店の休みには展示会巡りという感じで実質お休みなしでしたので「今日は休もう」と展示会でなく「命の洗濯」一人サイクリングに行く方を選択。ここから始まる長い旅のお話し。
朝、一旦店に行き、少しだけ仕事をしてから遅めのスタート。行き先は走りながら決めます。まずは北へ。鴨川沿いに北上して分岐点。先日のバーベキューで雲ヶ畑へ行ったので今日はクリーンセンター方面を選択。クリーンセンターの西の、橋の下の森で木がユサユサと揺れています。よく見るとサル。
最大ズームで撮ったんですが写真ではわかりづらいですね。15匹ほどのサルが木に登って木の実をとったり、落ちてくる実を拾ったり、下の川に落ちて泳いだり。橋の上の特等席からしばし眺めます。小さなかわいいサルがとった木の実をおおきなサルが横取りしたり、人間社会では許されないような行為も。
そして市原。左折して花背峠はしんどいので直進を選択。小学校の校庭にもサルがいっぱい?と思ったら元気に遊ぶ子供たちでした。休み時間ね。
静原〜江文峠〜大原〜途中越〜花折峠、
これ以上進むと時間的に戻れなくなるので戻ろうか?いや、左折して久多方面を選択。ススキのきれいな気持ちいい道を進み、
久多を過ぎて能見峠。頂上付近で「ポツン、ポツン」から「ザザザ〜」ショパンの調べ?いや、雨です。ヒエ〜。
止みそうにもないのでとにかく進みます。雨が降り出してからの写真はありません。それどころではなく。。。
広河原〜大布施。だんだん雨足は強まります。大布施のお店でカップラーメンにお湯を入れてもらって遅い昼食。
ここで大きな選択に迫られます。周山方面から栗尾峠を越えるか、花背を裏から越えるか。雨の周山街道は怖そうなので裏花背を選択。前半飛ばしすぎたせいか、この時点で足がしんどい。売り切れ寸前。
しかしなんとか雨の裏花背を越えてひとまずホッ。ここまでくればもう登り坂はありません。下りはじめてほどなく小さな選択ポイント、百井別れ。ここは迷わず直進を選択。百井を自転車で越えた事はないのですが、お客さんから噂はきいています。坂がきつすぎ、シンドすぎて楽しくないと。多分一生自転車では行かないだろうと思っていました。その時までは。
いつもの事ですが、この表花背の坂は一度には下れません。ブレーキをかけっぱなしで手が痛いし、道がガタガタでとてもツラいし。途中で停まって休憩しながら下ります。休憩中にバスが追い抜いていきます。
そしてついにもうすぐ鞍馬!という時にそれは起こりました。
パトカーが2台停車しており、お巡りサンが手を振って「ストーップ!」
(今日は)何も後ろめたいこともないし、タイホされる覚えもないので堂々と止まり
僕 「何すか?」
お巡りサン 「。。。火祭り。。。。通行止め。。。。戻って。。。」
僕 「え?よく聞こえません。もう一度」
お巡りサン 「とにかく戻って」
僕 「はぁ?(事態が読み込めていない)」
お巡りサン 「鞍馬の火祭りで通行止め。自転車もダメ。押して歩いてもダメ。戻って」
ということです。もちろんこのやり取りの最中も土砂降り。
ここから戻るということは、いま下ってきた花背の坂を登るということ。ムリ、ゼッタイムリ。
僕「そこをなんとか」
お巡りサン「ダメ」
僕「じゃあ、上までパトカーで送って」
お巡りサン「無理」
どうやら戻るしかないようです。さっきのバスは通っていったということは、休憩さえせずに下っていれば通れたという事ですね。ハァ〜。
「ウソだよぉ〜ん」と言ってほしかった。しかしお巡りサンの目は澄んでいます。仕方なくダメダメの足で花背を登り、百井別れまで。途中でさっきのお巡りサンがパトカーで追い越していき(乗せて)という心の叫びは届かないようで。。。
百井別れから百井峠へ。噂通りの急坂。雨。暗くなってきたし、寒いし、泣きそうです。(実は少し泣きました。)
そして既に売り切れた足。一部、屈辱的な「押し」が入ります。もちろん雨は降り続いています。
果てしなく続くかと思われた登りを終えて百井集落。かなり暗くなってきました。「完全に日が暮れる前になんとか国道まで」と必死で下り。遭難したくないですし。
そこからの下り坂は寒さとの戦い。手の感覚はナシ。ブレーキをかけているのかいないのか、シューの擦れる音で判断。サムイ。暖かいコーヒー、豚まん、シチュー、たこやき、頭の中はそればかり。くどいようですが雨はもちろん降っています。ここは夢の中なんだ。もう走らなくていいんだよね。もうすぐ目が覚めて。。。ヤバイす。きっとあの時マッチを摺ったら豚の角煮とか出てきたと思います。
そしてついに国道に出てズドーンと南下。途中のコンビニで暖かいおでんで生き返ります。そこで完全に日没。
車の多い真っ暗な国道をおそるおそる下ってなんとか帰還いたしました。
選択ミスの集合体。しかし天気予報や京都の行事のチェックをしておけばこんな事はなかったんですよね。でも戻ってしまえば「良い体験ができた。楽しかったな」と思えてしまうところがアホなんですね。きっと懲りずにまたやるでしょう。皆さんはきちんと計画を立てて下さいね。
ちなみに今回の選択で唯一、自分を褒めてやりたいと思えるのが、アソスのクライマジェット(ウィンド&レインブレーカー)をポケットに突っ込んで行った事。「要らんかな?」と思いつつ、下りで寒いかもしれんし一応持参して行きました。(雨が降るとはこれっぽっちも考えていませんでしたが)
もしなかったら今ごろ。。。。