[by ミカ姐] 2010/10/3
スタート10分前。柄にもなく私は緊張していた。テンパっていた。完全に舞い上がっていた。
今やお約束となったご当地ゆるキャラ(戦国武将風と遣唐使?風の2体)着ぐるみの登場でさえ、私の緊張を解きほぐす事は出来なかった・・・。
10月3日、信貴・生駒ヒルクライムレース。
決してHC向きのスキニーな体型ではない。しかし何故か登りが好きだ。HCのレースに出る事はかねてより一つの夢であった。ロード暦1年8ヶ月、44歳、満を持してのレースデビューである。
詳細コースが発表されるまで、正直少々ナメていた。「平均勾配3.4%? ユルっっ。。楽勝??」
がしかし、チームメイトのシンヤくんのリサーチでその全貌が明らかになる。
約14kmのうち、2/3を占める信貴生駒スカイラインは緩やかなアップダウンの繰り返しで大した事は無い。が、スタート直後から信貴スカに至る数kmが曲者。京都の峠で例えるなら花背クラス(同じくチームメイトのPira嬢談)の激坂区間だったのである。
でもそこは坂大好き女の私。大して心配は抱いていなかった。
前日、30分程の練習で軽く汗を流し、パートナーの愛車チネノリくん(どうせ股がるなら男子の名前がいい)のお手入れをする。チェーンを掃除しオイルを注し、フレームをワックスで丁寧に磨いた。
持ち物も準備万端、体調も良い。心静かに21時過ぎに就寝。パーフェクト!
当日早朝4時半車で出発。5時に五条通でメンバーのノスくん、Pira嬢とその友人N氏、papaさんと集合。3台で現地へ向かい、ほぼ予定通り6時半に平群(へぐり)町に到着。ジョージさん、シンヤくん、haseさんと合流。
美しい朝だ。とても気分がいい。心配していた雨もレース終了まで持ちそうだ。
受付を済ませ、Piraと2人、男子選手達の足ウォッチングで盛り上がる。そう、まだ余裕こいていたのだ、この時も。
開始まで30分を切り、スタート地点まで移動。各自クラス毎の出走組順に整列する。私は勿論女子のみのカテゴリー。女子は人数が少ないので、年齢別の振り分けは無い。明らかに不利である。
ここで初めてライバル達の顔ぶれを見る。みな速そうだ・・・
急に心拍数が上がり、不安と焦りが押し寄せてきた。開始5分前、ギアをインナーに落としてない事に気付く。走り出してからでも充分間に合うのだが、既に私は平静さを欠いていた。その場でチェンジしようとして焦り、チェーンを落とす。バカ~。。。Piraに「落ち着いて!」と助けられ、チェーンを戻す。完全に泡食ったまま、スタートの火ぶたは切って落とされた。
すぐに急斜面の応酬が始まる。確かに予想以上の勾配ではあるが、自分にとっては決して無理なレベルではなかった。これなら時々朝練している北区の原谷の方がキツい。なのに・・・
何分登った頃だったろうか、今は何が原因だったのかすら覚えていない。バランスを崩し、あろう事か転倒したのだ ! 下りならともかく、好きな登りで落車とは・・・カッコ悪~!!
急坂の登りで、まだまだ不慣れなクリートが上手くはまる訳がない。片足はめて踏み込もうとするもまたコケる。頭の中は真っ白、よもや「DNF」の3文字が浮かんだその時、背後から「大丈夫ですか?!」の声。
振り返ると、おぉっ☆ 佐藤 健似のイケメンやん !
おそらく地元チームの選手で、レースのサポートスタッフであろう。とにかく彼から後光が注して見えた。
「支えてますから落ち着いて! 両足共はめて下さい!」
なんと! ホットな今どき男子のアシストでTTスタートである。ラッキー♪ こんな機会はめったにあるもんではない。私はカンチェラーラの如く、力強く踏み出したのであった。(カンちゃん、ごめん)
左膝からは大袈裟に流血しているが、痛みは殆ど無い。チネノリくんにも幸いダメージはなさそうだ。
信貴スカに入り、「残り9km!」の声。給水ポイントでドリンクを受け取る。あっバカ!! 立ち止まって腰に手を当てて飲んでるわ。しかも律儀に「ありがとう」言うておじさんに紙コップ返してるし。スタンプラリーやないねんで。走りながら飲めよ~! さんざんケーブルTVでツール観て憧れてたやんか~。
が、しかしここまで派手にタイムロスし、かえって度胸がすわっている事に気付く。さっきまでの緊張や焦りは消えていた。よし、もうあとはマイペースで完走しよう。後発のシンヤくん達も励ましの言葉をかけて行ってくれた。
やはり信貴スカはユルかった。廻りの景色を眺める余裕すら出てきた。が、またハプニングが。何人かを追い抜いたうち、一人のおじさんが追い越し際に思いっきり嘔吐したのだ ! うっそ~ !! 寸前でかわしたが、危なかった。わざとではないにしろ、女性に向かって吐くとは。こっちがムカつくわ !! 怒りを鎮めながら走る。
「ラスト1km !」最後はスパートをかけてフィニッシュ。やれやれ、完走である。
ゴールの山上遊園地でチームのみんなと再会し、ようやくほっこり。例のTTスタートの健くんにお礼を言い、救護班に最新型の透明ラップ式絆創膏で手当してもらう。ちょっと嬉しい。
レース終了、小雨の降り出す中、下山。
リザルトが出ていた。17人中12位。タイムは55分もかかってしまった。トップから17分差、平均時速16,2km。何とも不甲斐ない結果に終わった。
同時スタートのPira嬢は堂々5位入賞。立派である。
食券で焼きそばとおでんを食べ、体育館で平群町民主催のふれあいパーティーを見学し、生駒山系を後にした。
市内に戻り、Pira、N氏と西陣でラーメンを食べながら反省点を振り返る。
とにかく第一に練習不足に尽きる。足手まといになるのが嫌で、一度も参加していないチーム練習にも出るべきであった。チームに入った意味がないやん。そして基本中の基本、クリートさばきもロクに出来ひんのではお話にならんわ。他にも問題点は山ほどある。普通なら自信喪失し、もう2度とレースなんて、と思うところだろう。
が、しかし懲りないタチで超能天気、おまけにドMときたらこれほどおそろしもんはない。ガチでトレーニングをし、カラダを絞れば、もっと登れるようになるんちゃうん ? ときたもんだ。我ながらおめでたい女である。
「今日のが登れたら、イブキもいけるで」と言うジョージさんの言葉が浮かんだ。あの憧れの伊吹山ヒルクライムである。Piraと2人、海老ギョーザを頬張りながら(今痩せなあかん言うたとこやん)、またまたがぜん盛り上がる。翌週、京見峠の朝練に付き合ってもらう約束をし、解散。
あり得ん位色々あった私のデビュー戦はこうして幕を閉じた。あぁ面白かった !
次の目標は来春のイブキ(エントリー抽選に当たれば、の話だが)! この平群ショックの借りは必ず返す。乞うご期待 !!
姐さん、めっちゃリアルで詳細な記録ですね、オモロすぎ!登り好きはやっぱり伊吹&乗鞍&吉野ですよ!共にガンガン行きましょう!ちなみにウチのロード共は娘さん達です。
投稿情報: pira | 2010/10/11 08:42
吐きそうになった事は幾度となくあるが、実際にリバースする輩は駄目駄目!
自分ならキレてると思います。
よく頑張りました。
投稿情報: の | 2010/10/12 12:36
レポート拝見しました。
前日のバウベキュウDNSでしたし
レースの結果を、誰も知らないみたいでしたし
どうなったのか気になっていました。
何はともあれ、無事完走おめでとうございます。
レースに出てれば、何かしらのアクシデントに
出くわすものだと思います。(特に未登録なら)
それが嫌なら、もっと上のカテゴリーで走れるようにならないといけません。
がんばってください。
投稿情報: 自転車は体に悪い | 2010/10/12 14:21
>piraさん
あたしのチネノリくんはラテン気質の小柄なチャラ男というキャラ設定です。
>の さん
はじめまして(ですよね?)。
そうでしょ〜!
なんぼしんどくても人に向かって、てのは・・・
アスリートの風上にも置けません !
>「自転車は体に悪い」ことMくん
さすがに前日にビールで焼き肉がっつり、てのはマズいと思い棄権しました。
報告遅れてすみません。
次回がんばります。
投稿情報: ミカ姐 | 2010/10/14 15:04