........ハードなブルベ風ライドで腹が減るだけ減ったあげくやっとありついて思いっきりおかわりする、その食事のことだと思うーさもなければそんなようなものだと思うな。
でなければ、旅にでるのに携えていくのに体調と食欲にぴったりで道道ちょびちょびたべられるように選ばれた、その食料のようなものだと思うの。
さもなければ、そんなようなもの。
湯浅町のカフェの店主はちょっとつまらなそうに?悲しそうに?言った。
「ご飯おかわり自由って書いてあるのに、おかわりする人いないんだ。」
そういわれて、おかわりしないでおけるわけないだろう。
ご飯セット:ご飯に金山寺味噌と昆布佃煮と南紀の梅干しとぬか漬け大根、お味噌しるがついてる。卵かけセットにすれば濃厚な生卵もつく。
しらすもあればいいのになって思うんだけれど、この簡素な上等さがいいのかな?
おかわりというと、もとと同じ量で大きめ茶碗に山盛り盛られてしまうのだけど、あとにはひけないわな。
初回はカレーうどんも頼んでしまった。
先日は、さすがにうどんはなしにした。
店主はすかさず声をかけた「おかわり言ってくださいね」
二杯の飯を平らげ、食後のコーヒーを頼んでいる間に、その田舎の親戚の家風の座敷で居眠ってしまった。ここでゴロゴロする人は多いのでまあKYじゃあないはずだけれど、ぴちぴちジャージで寝姿というのもなあ?
しかし店主は真っ黒い日焼け顔で微笑んで、ちょっと陰になった座敷を指差し、あそこは昼寝に最適です、などという。別れ際に
「これで月二回は来られることがわかりましたね」とかいうが、いやほんとは毎週でもこようとすれば来られるのだけど、あんまりそんなんしてたらいくらなんでもアレでしょ。ちいとばかりきつすぎてだからこそまじりけのない旅をして、京都のまちから携帯してきた食べ物を少しずつ食べもって、かなり腹減らし気味に湯浅に到着して、ご飯をしっかりおかわりしようとしてるか彼はしらない。聞いてほしい気も少しするけれど
「冬にはあなたのギターでブルーズを聞きながらアイラモルトやれたら最高なんだろうな」と言っておく。
そうさこのおしょゆの街でゆーっくりゆうぐれをすごすのさ。せんじつとまった海辺の宿でもとって...........ゆきだ、ブロックタイヤだ、シクロも跳ねてる!
京都のマクロビオティック・テイクアウト店の店主に
「自転車旅にいくときはあなたの店のおにぎり、スコーン、そしてこのマクロビクッキーをもっていくんです。おかげさまで体調いいんです」
彼は本当に嬉しそうに笑う。もっとも、夏には持ち歩くおにぎりにはすこし酢を振っていく。
「食料と一緒に旅してると、仲間であるように思うんです。旅の仲間をおなかに入れちゃうんですよね。」
「あなたとおくさん(彼女には、神の下されし食物の名がついてるのだ....デキスギ)の作った食べ物がかわりにいろんな景色を見てますよ」
高野山を登るときに見た星は、大きさ特大、色も特色だった。その星空に向かってそびえたつ大門は、四つ足で生きてるように見えた。大きな蛾たちが智天使ケルビムのように乱舞していた。花園村で迎えた夜明けの空を、多足の生物のように雲が這っていった。龍神スカイラインはまるで眠れる龍の背中だった。路肩で仮眠していると、私が逆に遺体と間違えられた。
(紀伊)田辺に向かって道を曲がると、この自転車人生のこたえとも言い切ってもいい、魅惑の景色が広がっていた。今まで見た紀伊半島中央部の山は圧倒と神秘とを主旨としていたが、この南紀の山並みは、ただただ、身近にあって、ただただ..........。
備長炭記念館の売店で、近くの障害者施設の方が作ったという焼き物の動物たちをみつける。その生き生きした顔に向かってよれよれの私は思わず言い訳をする。ここまで自走百キロ余の山の道を越えて、やっときみたちに出会ったんだよぅぅぅぅぅぅぅ!
ただ今この目の前に四つ足でたってるけれど、力強く面白くおかしく、まっすぐに胸に入ってくる。真面目な感動をおぼえると同時に笑い出さずにいられない。