[by ジョージ] 2012.10.4
電車に揺られながら、窓の外を眺めている。
目を閉じれば、すぐにでも眠りにつけそう。
でも、アイツをもう一度見ておきたい。
でも、見えるかどうかは分からない。
でも、とりあえずは起きて確認しよう。
やがて電車が長いトンネルを抜けます。
すると線路に並行している道路が見えます。
「そうそう、この道、この道」
そして徐々に道路の位置が低くなり、
さっきまで電車と同じ高さだった道路が
眼下に見えるようになります。
そうしてついに、
「いた!見えた!」
探していたソレを見つけて、
思わず、ひとりほくそ笑む45歳。
眼下の道路沿いに見えたのは、
青鬼。
正確には青鬼の人形。
「相も変わらず、おんなじトコに突っ立っとるなぁ、キミは」
数時間前、
自分はこの青鬼の前の道を、
大江山を越えようと
チームの仲間と一緒に走っていたのです。
正確には「仲間と一緒に」ではなく、
「仲間から随分遅れて」ですけど。
そうして今日あった出来事を
いろいろ思い出すのです。
福王子近くのコンビニに4人が集合したのは朝6時。
自分以外のpapaさん、GOSSYくん、アーサーくんは
翌日開催のグランフォンド京都に、
宿泊地の網野まで自走で向かう予定。
しかし台風到来でグランフォンドは残念ながら中止に。
それでも宿があるからと、予定通りあちらへ向かうことに。
自分はそれに便乗して、あちらからは輪行での日帰りライド。
台風の影響で午後からの天候が危ぶまれる中、
心地よい涼しさの中を出発です。
春のチームイベントでも
丹後半島行きに参加したこの4人。
そして今年に入ってパンクを経験しているこの4人。
パンクの恐怖に怯えながら、
周山街道を春のペース同様ゆったりと北上です。
笠トンネルを越えて細野の交番前で1回目の休憩。
そして先頭を交代しながら、
次の休憩地の日吉ダムへ。
そんなに走ってないのに、
なぜかやたらとお腹が減ります。
そこでみんな朝から自販機でアイスクリームを購入。
そして胡麻からR27を次の休憩地の綾部へ向かいます。
綾部までは少々距離がありますが、
30km/h前後の程良いペースで走行。
心配していた天気も良く、
たまに日差しが差す心地よい天気。
途中、春にルドルフくんがパンクした「わち」の現場を
「おおっ!ここがパンクの現場やなぁ」なんて
みんなで笑いながら通過。
そしてようやく綾部のローソンに到着です。
結構頑張って走ったので、
もうハラが減りまくりです。
そしてこの後に控えている
本日のメインディッシュ、「大江山」を前に、
腹が減っては戦はできぬと
みんなコンビニでガッツリ食します。
結構長めの休憩を終え、
綾部市街を抜け、単調な道を過ぎると
見えてきました。
大江山への標識です。
最初はほぼ平坦ですが、
冒頭の青鬼の辺りから
徐々に斜度が上がります。
そしていつものことながら、
上りに入ると、みんながどんどん先へ先へと
消えて行きます。
そしてついに一人ぼっち。
いつになったらみんなと一緒に上れるようになるんやろ・・・。
そうして、春にはカンチョーで懲らしめてやった
赤鬼のいるカーブを越えて
なんとか辿り着いた二瀬川の休憩所。
日差しも差し込み、めっちゃ暑い。
ああ、コーラがほっしぃ!
しばしの休憩後、
そこからは斜度は緩いものの
長い上りが続きます。
相変わらずの一人ぼっちですが
なんとか踏ん張ってようやくの下り。
いつもならこのままビューンと宮津まで下るのですが、
今回は峰山方面へのショートカットの為、
途中で左折し、名もなき峠を越えます。
みんな初めて走るだけに、
どんな斜度がどんだけ続くのかさっぱり分かりません。
それでも勇気ある一番の若手、GOSSYくん。
ほぼ直線状に見える長い上りを
いきなりのダンシングで駆け上がります。
ん~、若さは人を盲目にしてしまうんやなぁ・・・
とオッサンは超マイペースです。
しかし正直、この峠、
大江山をヘロヘロで越えてきた身には
めっちゃしんどく、もう半泣きです。
ハンガーノックになりかけもあってか、
メーターを見ると時速4km台、ケイデンスは30以下という
自転車遅乗り大会か、と思える様な超スローペース。
途中何度も足を着こうと思いましたが、
後半にはGOSSYが迎えに来てくれたりで
なんとか耐えて、無事登頂です。
あとは急な下りを慎重に抜けて、
集落にある自販機でようやくのコーラタイム。
そして予め見当をつけていた
国道沿いのラーメン屋でのランチタイム。
時間は13時過ぎ。
それにしてもほんとになんのトラブルもなく
予定通り順調に来れました。
そのあと、京都に帰る自分は、
網野の宿へ向かうみんなと別れ、
天橋立駅へ。
自転車をパッキングし
特急で京都へ帰るのでした。
そうして帰宅後、荷物を整理し、
家族のみんなが夕食を済ました後に、
一人での夕食。
私の前に座り、ビールを飲みながら、
今日あった私のあれやこれやの話を聞いていたカミさん。
私が食べ終えたのを見て一言。
「今日1日好きな事して楽しんできたんやから、
食器の洗いもん、全部やっといてなっ!」
ああ・・・
大江山の青鬼さん。
ほんまの鬼って・・・、
鬼の格好してへんにゃなぁ・・・。
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