[by mensoul]
「ご〜はんがたけたよ〜」という炊飯器のCMを観るたびにイライラしている今日このごろ、チームブログのカテゴリーに「映画」とあるのを発見しました。
自分のせいです。
なので、再び映画について書いてみます。
今回ご紹介するのは、「女競輪王(1956)」
なんとDVDも発売されている様です。すぐ廃盤になると思うけど。
制作は新東宝。
新東宝といえば、中川信夫の名作「地獄」は別格として、「憲兵とバラバラ死美人」「ノイローゼ兄さんガッチリ娘」「海女の戦慄」「貞操の嵐」等々、タイトルを見ただけでは全くストーリーが想像できない、でも気になって仕方がない映画を50年代後半あたりに1ヶ月5本とか、とんでもないペースで撮っていた映画会社です 。
そして主演は肉体派女優前田通子、肉体派というと当時で言う京マチ子とか、最近だと杉本彩的女郎蜘蛛のようなキャラを想像するかもしれませんが、普通に可愛い日本美人。
魚屋の娘が峠越えで魚市場に通ううちに強靭な脚力を身につけ競輪界へ、破竹の連勝を続けると聞くとまるで「頭文字D」みたいですが、無駄にジャストサイズなTシャツ、短パンでのムチムチ練習風景、意味のない入浴シーン等を織り交ぜつつ、すけこましなトップ男性選手にお色気攻撃で「前を引かせ」たり、「勝利がすべてです 。」と大人の事情を無視し、あたりに迷惑をかけまくりながらとにかく勝ち続け、目標のレースで優勝するやあっさり引退、男前の許婚と結婚してしまうというストーリーは、最近量産されているどうでもいい、まるで記号のような純愛映画を観に行くのより1000倍心に残るものがあります。
そして最も気になるのが登場する自転車。
当然競輪なのでトラックレーサーなのですが、とにかくサドルが低い。ほとんどフレームに直付け、シートポストのかけらも見えず。ものすごくカッコ悪い(ちなみにマイトラックレーサーのハンドルを逆につけ、妙ちくりんなアップライトスタイルで実家に帰る名シーンもあり)。
当時のスタイルがそうだったのかも?しれませんが、単純にサイズが合っていない、もしくはプロ使用の自転車に、どしろうとの俳優をまたがらせて怪我でもされたらかなわんと(我々の乗っているようなタイプの自転車はサドルにまたがると足は絶対つきません。さらに競輪用にはブレーキがついていません)、サドルを思いっき り下げたんだと思います。
しつこいようですが、天地を揺るがすカッコ悪さ。
ロードバイクをお求めの方、信頼できるプロの店でちゃんとサイズを測ってもらいましょう。
今日の1曲はThis Heatでよろしく。