[by イッチー]
僕は自転車でよく山に登る。よく、というよりほぼ毎日。
最近、「なぜそんなにしんどい事をするの?」と聞かれた。
何故?
今まであまり考えたことはなかったが、少し考える。
趣味だから?
それは理由じゃない。
好きだから?
何か違う。
速くなりたいから?
まあ、それもある。
楽しいから?
いや違う。
登りは楽しくなんてない。苦しいだけ。
じゃあ、なぜ?
自転車で坂を登ること、それは人生と似てるから。
坂を登るのはしんどくて苦しくて辛い。
どんなに練習をつんでも楽になることはない。
でも、登り坂はいつか必ず終わる。
苦しさを我慢してひたすらペダルを回し続ければいつか必ず頂にたどり着く。
でも、途中であきらめて漕ぐのをやめてしまえば頂にたどり着くことはできない。
人生も苦しくて辛い時が少なからずある。
それが今なのか未来なのかはわからない。
でもその時あきらめずに進み続ければ苦しい時間には必ず終わりがくる。
そしてその先にはきっと答えがある。
人それぞれの答えが。
僕はまだ見つけていない、その答えを。
だから僕はペダルを回し続ける。
待ち続ける。
苦しくてもいつか必ず頂にたどり着ける時が来るのを信じて。
そして、その頂の空にはやさしくて涼やかな風が吹いているのを夢見て。
それが僕の走る理由。
だから僕は走り続ける。
と、かっこいい言い訳を考えながら明日も坂を登るのだ。