[by ハカセ] 2010.12.12
はじめまして、ハカセです。
去年7月にWhoo Bicyclesでロードバイクを購入し、今年4月にチームに参加したんですけど、日記、初めてです。
まぁ、自己紹介を兼ねて「ロードバイクへの思い」を少し書かせてもらおうかなと。
言っておきますけど、長いですよ。
時間のない方は、おヒマな時にどうぞ。
・自分の体をこよなく愛すドM
正確に言うと、私はロードバイクが好きなのではなく、ロードバイクに乗っている自分が好きなんですね。さらにいうと、ロードバイクで速く走るために自分の体を鍛えるのが好きなんです。はい。
単に脚を回し続けるという単純な運動を、あのマシンの上で何時間も行うだけなのに、それに含まれる要素の多いこと。まぁ、それを究極的に言い表すと、筋肉にいかにエネルギー(ATP)を供給し続けるか、そしてそれをいかに効率よく筋肉の出力に変換するか、ですね。
あぁ、もうこれだけで美しい、美しすぎます。
ロードバイクは無駄を徹底的にそぎ落とした究極のマシンとよくいわれますが、その上でヒトが行っている運動も、とてもシンプルで無駄のないものなんですねぇ。それが私がロードバイクに興味を持ったきっかけです。
筋肉の伸縮にはATPと呼ばれる物質が必要です。筋肉細胞にはある程度のATPを常に蓄えていますが、残念ながらそんなものは最高出力を出すと10秒程度しか持たないんですね。なので、持続的に筋肉にATPを供給しようと思うと、別の物質を変換して作り出したり、体内の別の場所から運搬してきてやる必要があります。
それはグリコーゲンを分解する経路であったり、糖分を分解する経路であったり、クレアチンリン酸経路であったり、(長期的には)脂肪を分解してATPを作り出す経路であったりするんですね。そしてこれらの経路がちゃんと働くには酸素が必要ですから、心肺機能も高くないといけない。
なので、トレーニングをする時は、これらの経路のどれを鍛えるのか、ちゃんと目的を明確にしながらトレーニングするんです。
あぁ、なんてマニアックな快感なんでしょう。
なんて楽しいお仕置きなんでしょう。
書いていながら背筋がゾクゾクします。
ぁ、もちろん、実際にトレーニング効果があるかどうかなんて、どうせすぐには評価できないんだからいいんです。とにかく、そーゆー意識で自分の体をいぢめて、そしてそれによって自分の体の変化をちょっとづつ感じるのがなによりの快感なのです。
だから(というわけではないですが)、実はバイクのこととかパーツのこととかぜんぜん詳しくないんです。
たくやさんに相談して、「これがええんちゃう」っていうのを買うだけ。
たくやさん、今後も頼りにしてます。
・遺伝子と筋肉との関係
で、今回の日記の表題でもある「スプリンター系と持久系」についてです。
最近は運動医学や運動生理学にも遺伝子診断の波が押し寄せてきて、ある個人がスプリンター系か持久系か、遺伝子を調べればかなりの確率で知ることができるんです。プロアスリートの中にはこの診断に基づいて競技種目を変更する人も多いとか。日本ではあまりメジャーではないですが、オーストラリアなどではかなり頻繁に行われています。
へぇ〜
私も仕事柄、こういったことにはとても興味があります。
だって、すごいですよね。じぶんの体(特に筋肉)がどんな性質か分かっちゃうんですもの。
オーストラリアのある企業では、10種類以上の遺伝子を調べて、その結果を総合してスプリンター系か持久系かをスコアするそうです。コストは、1件約2万円ぐらいだったかな。なんか、すごい時代ですよね。
ふぅ〜〜〜〜ん
皆さん、もうお分かりですね。えぇ。
自分の体をこよなく愛す私としては、これを放っておく訳にはいかないですよね。はぃ。
知りたいです。
自分の体が知りたいです。
自分の体なのに、なんか第三者的な視線で眺めてますよね。
そう、愛しいものを眺める眼ですよ。
じぃーーーーーーーーー
しかし、しかしですよ、2万円は高い、痛い。
う〜〜ん、でも知りたい。
まるで、お金もないのに女の子とクリスマスを過ごしたいと思うワガママなヤツみたいだ。
う〜〜ん、何かよい方法はないものか・・・・。
・・・・
・・
!!
そうか、自分で調べればいいんだ!
えぇ。はぃ。
なので、自分で調べることにしました。
論文をね、いろいろと読んで調べたんですよ。
で、10個の遺伝子を調べるのは大変なので、とりあえず1つだけ、調べてみたんです。
αアクチニン3という遺伝子です。
この遺伝子内の配列が1箇所違うだけで、筋肉の質が変わります(詳細は省略)。
C型とT型と呼ばれてるんですが、統計的に、C型はスプリンター系に、T型は持久系に多く見られるそうです。
皆さんご存じのように、ヒトは1組の染色体、つまりおなじ遺伝子をそれぞれ2コピーづつ持っています。αアクチニン3遺伝子の場合、大部分の日本人はC型とT型を1つずつ持っています(ヘテロ)。なので、スプリンターとも持久系ともいえないどっちつかずの中途半端が多い。しかし、まれにC型を2つ持つ人、もしくは、T型を2つ持つ人がいるんですね(それぞれ、C型ホモ、T型ホモ、といいます)。で、そーゆーホモ達は、スプリント系種目や持久系種目に向いているということが言えるそうです(アフリカ出身のアスリートにはこれらのホモが多いそうです)。
この説には反論もあって、もちろん100%当てはまるとは限らないのですが、1つの指標としては面白いですよね。
そして、もちろん、私としては当るか当らないかなんてどうでもいいんですよ。
自分の愛する体のヒミツをちょっとだけ垣間見られたらいいんです。
ひっひっひっひ
だって、だってですよ、ジムで筋トレしてるのに、全然筋肉増えないんですよ。
それに、昔から短距離よりは長距離種目が得意だし。
これは間違いなく持久系ホモだ!とか勝手に想像してニヤニヤしてたわけです。
もうそれしかありえない。
もしそうだったら、もう絶対に無理してスプリントとかの練習しないんだ。きりっ。
え〜〜っと、で、長くなりましたが、結果を報告します。
(あくまで、1個人が個人的な興味で個人の遺伝子を調べただけですのであしからず)
結果は
CとTのヘテロ!
あぁ〜〜
しょうもなぁ〜〜
すんません、オチなくて。
超典型的な日本人でした。
本当にゴメンナサイ。
筋肉が増えないのは、追い込みが足りないだけでした。
これからはもっと追い込んでみたいと思います。
ハァハァ